リフォームとリノベーションの違い
リフォームという言葉が使われる以前には、改修とか修繕という言い方をされていました。リフォームもかなり使い古された単語となった今から15年程前に、突然リノベーションという言葉が出てきました。
当時このリノベーションという単語は、建築業界を大きく変革するであろうという久々のビッグキーワードとして、業界で騒がれました。
業界とはもちろん建設業界でのことでした。しかしながら、リフォームとリノベーションの違いについて明快な説明することが難しいのが現実としてあります。小規模な改修工事をリフォームといい、大規模のものをリノベーションと呼ぶ場合もありますが、以前から大規模なものはフルリフォームと呼んでいました。ガスや水道などの配管を敷きなおしたり、間取りを大幅にかえるなどももちろんフルリフォームの域をでません。
当初インターネットで検索すると、リフォームの延長とされていたリノベーションでしたが、最近ではリノベーションに物件という単語が付帯されてリノベーション物件というような、不動産用語に変化しているような気がします。あくまで私の感覚ですので間違っているかもしれませんが。
一般的に中古不動産を不動産会社等が個人から買い取り、不動産会社がリフォームして販売しているものが、リノベーション物件として売り出されています。リノベーションマンションのような表現です。リフォーム済マンションというよりリノベーションマンションと言うほうがオシャレなイメージがあるので、不動産業界でよく使われるようになっています。
従ってリノベーション物件とは何かというと、購入されるかたに選んでもらえるようにリフォームされた不動産という位置づけになると思います。
このように、リノベーションという言葉は今でも使い方が難しい単語です。
ただ、入居率が低い賃貸物件を賃貸効率のいい不動産に生まれ変わらすためのプロジェクトを組んで施工するような場合はリノベーションという表現が当たっていると考えます。いわゆる経済効率を改善するようなリフォームで、経済的満足を受ける高度に企画されたリフォームです。
寮をマンションに変えるようなものは、リノベーションではなくコンバージョン(用途変更)として呼ぶことが普通です。
多少不満があるが、綺麗にリフォームされている中古不動産(リノベーション物件)に自分のライフスタイルを合わせて住むという選択ではなく、リフォームしていない中古不動産を取得して自身のお好みにリフォームすることにより、大きな精神的な満足や安心を受けることができる高度なリフォームであれば、それをリノベーションと呼んでもいいと私は考えますがいかがでしょうか。またお住まいの住宅をリフォームする場合でも同じことが言えるのではないでしょうか。